【走らされる湘南。〜ボールは疲れない〜】J1第29節 横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ レビュー

サッカー戦術分析
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俺たちのJリーグが帰ってきた。代表weeeekだとサッカー観る楽しみがどうしても減ってしまう…さぁマリノスの今節の相手は湘南ベルマーレ。色々、色々騒動がありチームの状態はあまり良くないようですね…マリノスは好調。ここ5試合で4勝1分と確実に勝ち点を重ねている。マリノスは優勝争いのために、ベルマーレはいつの間にか降格争い…状況は違えど両チーム喉から手が出る程勝ち点3が欲しい事は間違いない。

結果はHOMEのマリノスが3得点を奪って勝利をもぎとった。試合を重ねる毎に確かな成長を示し結果を出しているマリノス。

対するベルマーレは今節から新監督を迎えての初陣。監督が変われば当然チーム戦術も変わる。そしてこの試合では馴れ親しんでいたシステムでは無かったのもベルマーレの選手たちに迷いを与えて、チーム全体で意思統一が出来ていなかったシーンがあった。

それではマリノスがどうゲームを運び、得点を重ねていったのか、前半、後半、まとめと言う流れで見ていきたいと思います。

前半キックオフ!

スタメン!

マリノスの奇襲

マリノスがキックオフからエンジン全開フルスロットでベルマーレゴールに迫った。僅か4分間でシュート4本、コーナーキック2本を奪い先制点を絶対に奪うんだと言う姿勢を前面に出した入りとなった。マリノスの奇襲をベルマーレは本当に何とか耐え忍んだ形となった。仲川の決定的なシュートもあっただけに、マリノスはここの奇襲で1点が欲しかった。

ここでベルマーレに一つ気になる事が点が。
ボールがアウトする度(スローイン、コーナーキック、FK)に集中が切れてしまう事だ。それにより僅かな隙が生まれ事が多かった。

プレーが切れる度にひと段落してしまうベルマーレ。それにより、半歩、一歩の対応の遅れが生まれマリノスへのプレスが遅れるシーンが目立った。”ベルマーレの僅かな隙”をしっかり突くマリノス。

開始直後の奇襲の中にもコーナーキック、スローインからリスタートする事でシュートシーンまで持っていくことに成功していた。

ベルマーレの狙い

マリノスの奇襲を何とか耐えたベルマーレ。徐々にこの試合の狙いが見え始めてきた。

ベルマーレは多くの予想を裏切るシステムで戦ってきた。馴れ親しんだ3バックではなく、4バックを採用してきた。守りも、攻撃も4-4-2の配置で戦ってきた。

ボール非保持の時はこの配置でベルマーレらしく前から果敢にプレスにいった。ベルマーレの2トップ山口、山崎はマリノスのCB、GKまでプレスにいく。SBにはSH山田、古林がプレスに行った。CHには松田と菊池がプレス。

4バックはマリノスの3トップを監視していた。マルコスには主に菊池が付いていたように見えたが、CBがプレスに行くこともあり、そこは声をかけながらマークの受け渡しをしていた。

それに対してマリノスはいつものように、配置を崩して、ポジションをチェンジしてベルマーレの守備の基準を撹乱しにいきました。ベルマーレもそれは想定済み。そこは湘南らしく連続性と運動量でマリノスのボールを追い回しにいった。

しかし、始めこそ強度あるプレスを見せていたが徐々に体力の消耗も目立ってプレスが甘くなる。マリノスのボール回しに必死に一人一人が無理をしてボールを追い回す。

走らされるベルマーレ。
ボールを走らせるマリノス。

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今までのベルマーレは自らのアクションで走ってきた印象だったが、この日は試合経過と共にマリノスに走らされてしまった印象を受けた。自ら走るのと、走らされるのでは体力的にメンタル的にダメージの差は大きいだろう。

そして、体力は有限だが、ボールは疲れない。

マリノスのボール回しに体力的にもメンタル的にもダメージを追っていったベルマーレ。相当キツかっただろう。

また不慣れな4-4-2のシステムという事もあったのか、前と後ろの連動性がなく中盤にスペースが生まれマリノスがテンポよくボールを動かし、前進するようになっていった。

それでもサボらずに戻り続け、最後の最後には身体を投げ出してゴールを守るベルマーレ。

マリノス先制!

開始早々に見せた奇襲以降中々決定機をつくれなかったマリノスだが、ボール保持を高めながら好機を虎視眈眈と狙っていた。

ベルマーレのプレスの逃げ道を徐々に見つけ出す。マリノスの両ワイドのマテウス、仲川が比較的フリーでボールを受けられる。マリノスはSBもインサイドに入る事でベルマーレのプレスも自然と中央に集まる。そうすると空くのが大外のWGマテウスと仲川だ。マリノスはこのエリアが空いているのを意識してボールを動かしていった。

この試合特に多かったサイドチェンジが非常に効いていた。いつも以上に多かった。これが出来ると更に攻撃の幅が広がる。扇原から、畠中から右の仲川に何度もサイドチェンジが入る。仲川がベルマーレの左SB鈴木と1対1の局面が何度も見られた。仲川vs鈴木のマッチアップでは「質」で上回る仲川に優位性があった。鈴木には難しい仕事だっただろう。左ワイドのマッチアップも同じことが言えるかもしれない。マテウスも同様に「質」を活かしてガンガンサイドを攻めまくった。

ベルマーレはここのウィークポイントをどうカバーするのか?

これに明確な答えを出せずに試合が終わったしまったのかもしれない…

そしてマリノスが先制点を奪う。
38分 ここでもベルマーレの集中が一瞬切れてしまう。マリンスのGK朴のクリアがサイド際に飛ぶ。ベルマーレは全員がボールが出ると思いラインを上げてスローインの準備をするもボールは外に切れずに、仲川がトラップをしてボールを納めて一気にサイドをえぐってクロス。合わなかったものの今度は左から喜田を起点にサイドチェンジで再び右サイドの仲川の元へ。

仲川のお得意になりそうなカットインから左足のシュートを逆サイドネットに沈め先制ゴール!

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このゴールは大きかった。

そしてマリノスは攻撃の手を緩めない。
前半ロスタイム 右サイドを崩し、喜田がペナの中でシュートを放つもポスト直撃!またも今シーズン初ゴールはお預け。惜しかった。いい崩しだった。キャプテンにゴールをあげて下さい!笑

このまま前半は終了!

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後半キックオフ!

後半に入ると、マリノスのボール回しのテンポ、スピードが一層上がってくる。選手同士の距離感も、角度も良いため、ベルマーレにボールの出しどころを定めさせない。ショートパスの制度、サポートのタイミング、ボールの離すタイミングも良く、面白いように中盤でボールを動かす。そこにこの日はショートパスだけではなく、大きなサイドチェンジも多くあり、止まらない、止められない状態に。そして後半早々に2点目を奪いさる。

やっと出た!FK!

50分 左サイドで縦パスを織り交ぜながらボールを動かし、ベルマーレを集めるマリノス。そして扇原が逆サイドに張る仲川へサイドチェンジ。ボールを受けた仲川がSB鈴木を剥がしてドリブル突破。バイタルまで侵入するとベルマーレがファールで何とか止めて防ぐ。絶好の位置でFKを獲得。

51分 マテウスの左足炸裂。無回転FKがゴールに突き刺さりマリノス2点目。やっと生まれたFKからのゴール。これは嬉しい。痺れるゴールだった。

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しかし、マテウスが筋肉系のトラブルで交代をアピール。遠藤が投入された。

完全に分断されるベルマーレ

2点差になったことでベルマーレの守備に更なる迷いが生まれる。前線の選手は相変わらず前からプレスにいくが、DFラインの重心は後ろに重くなっていった。DFラインはマリノスの3トップにピン留めされる。中盤の松田と菊池もマリノスのマルコスが気になるシーンが多くなり、前半より前に出れなくなってしまい、完全に前と後ろを分断されてしまったベルマーレ。

さぁ、どうするベルマーレと思っている間にマリノスが3点目を奪う。

エリキよく走った!

ゴール前に迫り続けるマリノス。
守備もサボらずトランジションも早い。ベルマーレのカウンターも防ぐ。何度かゴール前に攻め込まれるシーンもあったが、全員がしっかり戻って守りに入る。

そして3点目はFWエリキがサボらずにプレスにいく事で生まれた。ベルマーレのGK秋元へのバックパスにエリキが諦めずに猛ダッシュでプレス。それによりクリアミスを誘発させて中盤でマルコスがボールをゲット。それから遠藤がボールを受けて、左サイドからペナへカットインをし、ファールを受けてPK獲得。

エリキの果敢なプレスも褒めどころだが、それに対して他の選手たちも一気にラインを押し上げてセカンドボールを拾ったマリノス。ハイライン、ハイプレス。チーム全体にしっかり浸透している証。

しっかりマルコスが決め切り3点差に突き放す。

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やっと動くベルマーレ

ベルマーレは後半に入ると4-4-2のシステムは変えずに選手交代を行った。しかしそれでは状況は変わらずに、やっと3枚目の交代で大きな変化を加えた。

72分 松田に変わって、杉岡を投入。

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これに伴い、システムを3-4-3の様な馴れ親しんできたすステムに戻した形となった。

3点差という事で、後ろは3人で守る。WBは大外をとって攻撃的な配置になった。ほぼWGの様な役割になっていた。これにより大外に張る杉岡、古林のサイドに展開して攻撃するという明確な狙いが生まれ出した。守備ももう一度前に行くぞ!とメッセージにもなって前に人をかけてボールにプレスに行くようになる。

これにより、チームの攻守の狙いが一つになった。やっぱりサッカーはチームスポーツ。チームが固まるか、固まらないか。チームのやる事がハッキリするか、しないかでチームの力は大きく変動する。

ベルマーレが1点返す。
後半ロスタイム 

マリノスにとってはクリーンシートで勝ちたかった所だろう。こういう甘さを出しては本当の強さには繋がらない。ベルマーレにとっては何かの兆しになるゴールになるのか。3点差という悪い状況の中で少し割り切った感はあるが自分たちでもぎ取ったゴールだ。これが良い方向に向かって欲しいというのは1人のサッカーファンとしての願いだ。

ベルマーレが1点返すもタイムアップ。
マリノスが3-1と勝利。

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まとめ

今節アントラーズが引き分けた為に、この勝ちで首位との勝ち点差を1まで縮められる事に成功した。まだまだ分からない優勝争い。勝ち点を落とせない状況は変わらない。勝ち続けなくては生き残れない。こういった緊張感ある日々を過ごしているチームだからこそ、成長できているのかもしれない。積み上げたものが形になり、進化している。

この日生まれた2点目の形は色んな意味でも大きかった。やっとセットプレーからのゴール。また一つ新たな武器が手に入ったのか?セットプレーは必要不可欠な武器だから、次節もセットプレーからのゴールが見たいものだ。

攻撃にばかり目がいってしまうが、トランジションの意識と強度は上がってきている。とにかく奪われてからのトランジションが早い。そしてみんなが当たり前のようにサボらずに労を惜しまずに走って守備をする。エリキとマテウスも確実に守備力は上がっている。進化してる。

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ベルマーレサポーターが掲げた横断幕。「縦の美学」第三章のスタート。取り巻く環境が決して良いとは言い難いベルマーレ。しかし、逆境を跳ね返し、走り続け、貫いてきたのが”湘南スタイル”の一つだろう。更に進化したベルマーレが見れることを楽しみにしています。チームとして固まった時のベルマーレは非常に強い。立ち返るはやはり「縦の美学」なのかもしれない。それとも、全く違うスタイルを確立するのか。どうなる湘南スタイル?

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