【ウィークポイントを隠す為にも攻撃する】プレミアリーグ第13節 マンチェスター・シティvsチェルシー

サッカー戦術分析
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久しぶりのプレミアリーグです。ホームシティが迎えるのは、リーグ6連勝中のフランクチェルシー。攻撃的な両チームの攻防がキックオフから見らた。お互いリスキーな攻撃をする前半は非常にエキサイティングで面白かった。

チェルシーの前半は自分たちの狙い通りだったという感じですが、それに対して、王者シティも自分たちの強さを発揮した。しかし、シティはボール非保持の弱さ、脆さがやっぱり見えた試合あった。

結果として、シティが前節のリヴァプール戦の敗戦を払拭する勝利を掴んだ。

それではこのゲームの面白かった点を戦術的に見ていきましょう。
今回は前半の戦を中心に見ていく。

チェルシーの攻撃と間延びするシティの中盤

キックオフから両チーム攻める意識が強かった。
4分 シティのチャンス。デ・ブライネがお得意のハーフスペースからペナのポケットでスルーパスを受けてシュートを放つ。惜しくもシュートはゴール脇にそれる。

7分 今度はチェルシーのチャンス。マフレイズからボールを奪ったSBエメルソン。ここから早くて鋭いショートカウンターが発動。左から最後は左WGのウィリアンにボールが渡り、フリーでシュート。これも惜しくもゴール脇にそれた。

お互いボールを持つとあっという間にゴール前に侵入し、チャンスの匂いがするシーンがたくさん生まれる。中盤の攻防は非常にタフで球際激しい。

徐々にチェルシーがシティを押し込み出していく。縦パスを恐れずにバンバン前線に送っていく。パススピードも、パス回しのレベルも非常に高いチェルシー。シティの前プレを見事に剥がしボールを前進される。前線のエイブラハムも身体をはり、巧みなボールコントロールで確実に味方にボールを渡し、ビルドアップの起点になっていた。

攻撃的な配置

チェルシーはボール保持の時に可変システムで位置的優位を作り出し、シティを押し込んでいく。
右SBのエメルソンが高い位置に上がると、WGのプリシッチが内側に入る。

中盤のジョルジーニョは中央でドスっとたち、コヴァチッチもジョルジーニョと共にビルドアップを助ける為に少し落ちてボールに関わる。

カンテはビルドアップにはあまり関与せずに比較的高いポジションをとる。右のハーフスペースの位置まで上がり、時にはエイブラハムと並ぶポジションも取る。

右WGのウィリアンは大外に張って幅を取る。後方の右SBアスピリクェタは状況に応じて、ウィリアンとカンテのポジションを伺いながらポジションをとる。

後方には2CBしか残っていない状態で非常にリスキーな配置。言い換えれば非常に攻撃的な配置だ。

シティの前プレ、ファーストプレスを剥がすと一気にスピードをあげてゴール前に攻め込む。縦パスを入れてターンする。縦パスを入れて、セカンドボールを拾って前進。ボールサイドでショートパスを繋いで、幅をとる、右ではウィリアンへ、左ではSBエメルソンへボールを供給して攻め込んでいった。

そして、アウェーのチェルシーが先制点を奪う。
21分 シティの前プレを剥がすチェルシー。中盤のジョルジーニョとコヴァチッチが巧みにプレスを剥がしてシティの前プレ部隊を置き去りに。

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コヴァチッチが中盤で前を向くとシティの裏へ浮き玉にスルーパスを送り込む。それに走り込んだのはカンテだ。右のハーフスペースから長い距離を斜めに走って裏をとる。それに対してシティのメンディもしっかりついて行ったが、カンテが上手だった。難しい体制でのボールコントロールになったがしっかりゴール方向へ。

GKエデルソンが前に出てブロックしようとするも、カンテのシュートがゴールに転がり先制点を奪ったチェルシー。ビルドアップからフィニッシュまで見事な崩しだった。

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間延びするシティの中盤

確かにチェルシーのこの先制点までの過程は非常に見事だったが、この時のシティのボール非保持での対応は改善ができたかもしれない。ここがシティの今のウィークポイント。やっぱりボールを保持するチームで、ボールを保持しないと彼らの強みは一気に軽減する。

ボール非保持のプレーの質はウィークポイントかもしれない。ボールへのプレス強度、連続性、連動性といった、ボールを奪い切る要素(力)は弱い。1人でその守備力があるのはパッと思い浮かぶのはスターリングくらいではないだろうか。1対1の守備の局面や連続でボールにアタックする力は前線、中盤の選手は特に弱いかもしれない。

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だから、ペップはチームでコンパクトにしてプレスに行かせるのかもしれない。前線からプレスにいき、DFラインをあげて、引くことをせずに、チームで時間とスペースを減らしてボールに奪いに行かせる。あとはトランジション。奪われてからのカオス状態を使ってすぐに奪い返すことで、出来るだけ相手にいい状態にさせずに奪い返すことをする。

この2点が守備に置いてこの試合の前半には中々出来なかった。チェルシーのボール保持のスキル、切り替えの速さが上手で、シティはボールを奪えずにチェルシーに剥がされた。

前線のアグエロ、シルバ、マフレイズ、スターリングはチェルシーのボールを奪いに前へ行く。ここまではシティらしいが、中盤より後ろの選手がこれに合わせて押し上げられなかった。中盤の間延びが発生。これを突かれたのがチェルシーの先制点に詰まっている。

前線の4枚がチェルシーのボールへアタック。うまくボールを動かすチェルシー。中盤のジョルジーニョ、コヴァチッチにボールが入ると本来ならば、シティのデ・ブライネやロドリがボールにアタックするが、アタックしなかった。中盤の選手は一列下がってDFラインの前のポジションを埋めていた。こうなってしまうと中盤に間延びが発生し、チェルシーの中盤の選手に時間とスペースを与えてしまう。

このレベルになると、この僅かな時間とスペースでハイレベルなプレーが出る。コヴァチッチから精度の高いボールがシティのDFラインの裏にボールが入る。

それにカンテにランニングされて裏を取られる。シティのDFライン4人もいたし、ロドリ、デ・ブライネもいて守りをする選手は十分にいたが、ここでシティの弱さが出る。

DFラインの裏のスペースを埋めるスピードだ。チェルシーの前線にはスピード自慢揃いだ。前向きで走ってくるチェルシー。後ろ向きで対応するシティ。それに2列目から無尽蔵のカンテのランニングに対応するのは非常に難しい。

前線はプレスに行き、後ろは決してDFラインを下げて守っていた訳では無いが、前プレ部隊に続いて行けなかったことで中盤の間延びが発生。DFラインは高い。だけど中盤にスペースがある。この状況でチェルシーに中盤で前向きでボールを持たれた時点で勝負ありだったかもしれない。

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リスキーなチェルシー

先制点を奪ってからのチェルシーのボール保持の時間は増えていった。完全にチェルシーがボールを握りゲームを支配する時間帯となっていた。

非常に攻撃的な配置をとり、縦パスをバンバン狙っていく。リスクも非常にかかる。奪われてシティのカウンターを受けるシーンも多々あった。そこは両CBトモリと の身体能力で何とかカバーするシーンも。しかし、いつまでもそれでリスクを回避できる相手ではない。相手は王者シティ。

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29分 攻め込むチェルシー。いいリズムでボールを動かしていたが、ジョルジーニョの縦パスをカットされてシティのショートカウンターが発動。一気にゴール前に攻め込むシティ。チェルシーのトランジションも早くゴール前に選手が戻ってくるも、最後はデ・ブライネの強烈なシュートがディフレクションし、GKケパは逆を取られてゴールに吸い込まれてシティが同点に。

ここから徐々にシティの狙う攻撃が出てくる。
ゴールはゲームの流れを一気に変える一番の特効薬。

狙うはアンカー脇(ハーフスペース)

シティの狙いはアンカー脇(ハーフスペース)だった。ハーフスペース攻略職人のデ・ブライネとシルバが徐々にそこでボールを受けるようになる。

チェルシーは守備の配置は4-3-3の様な配置になった。

ジョルジーニョがアンカーの位置に入り、状況に応じてボールにアタックしたり、カバーに入る。カンテはシルバに、コヴァチッチはデ・ブライネにマークに付いていた。そうするとシティのアンカーロドリがフリーに。ここにはジョルジーニョがプレスにいく。マンマークする訳ではなく、ジョルジーニョはアンカーのポジションから、ロドリにプレスに行くまでに距離がある。そうするとロドリにプレスがかからなく、前向きになった状態での守備対応を余儀なくされたジョルジーニョ。

シティにとってはここは一つのプレスの逃げ道になっていた。シティの逆転ゴールもここがポイントとなった。また、シティのCBがドリブルで持ち運んだ時にもジョルジーニョがボールにアタックし、DFラインの前のスペースを明け渡してシティに使われるシーンもあった。

もう一つプレスの逃げ道が。

前線のエイブラハムはCBにプレスにいく。2CBに対してエイブラハム1人だと数的不利なので、ウィリアンもCBにアタックするシーンも。そうすると左SBのメンディがフリーになる。そこはカンテの運動量でカバーしていた。しかし、そうなると今度はカンテがマークするべきシルバがフリーになってしまう。メンディからハーフスペースのシルバに斜めのパスが入り、シルバがフリックでアグエロ、スターリングにボールを供給し、ゴール前に侵入する。

そして、シティの右のハーフスペースは完全にデ・ブライネとマフレイズで制圧していった。コヴァチッチは採算デ・ブライネを見失ってしまい、ペナのポケットに侵入されてしまった。ハーフスペースにはデ・ブライネ。外にはマフレイズが。そこに中から流れるアグエロも現れ、右サイドは活性化していたシティ。

キレキレのマフレイズ

39分 シティが逆転に成功する。
ロドリがボールをゆっくり運ぶ。この時ジョルジーニョはバイタルを埋めるために下がる、カンテもシルバの監視、コヴァチッチもデ・ブライネのマークする為にプレスにいけない。ロドリから右のワイドに位置どりしたマフレイズにスペースと時間がある状態でボールが供給される。

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マフレイズはボールを受けると迷うことなくカットインドリブル。エメルソンと対峙。コヴァチッチもしっかり戻ってサンドしようとするも間をすりと抜けるドリブルでペナに侵入し、シュート。逆サイドを射抜くグランダーのシュートが決まり逆転に成功!

後半にも同じ様な形でカットインからシュートを放つなど、今節のマフレイズはキレキレだった。独特なリズムのドリブル良き。

後半はシティのゲームに

後半に入るとチェルシーが前半で見せた攻撃は影を潜めていった。選手交代や、配置を変えて流れを取り戻そうとしてが、後半はシティが試合巧者にゲームを運んでいった。

シティが前半よりはボール保持を高めることで、自分たちのストロングポイントを引き出し、自分たちのウィークポイントを隠していった。

終わり

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ゲームはこのまま2-1でシティが逃げ切り勝利した。

チェルシーも、シティもボールを持つと良さが出るチーム!と言うのがよく分かるゲームだった。両チーム共にボールを持っているとその持ち前の攻撃力が発揮され、同時に守備力も上がる。守備に関しては、守備力が上がるというよりも弱点を隠す事になる。ボールを持っている間はボール非保持のスキルは必要ないから。シティも、チェルシーもボールを保持していると力を発揮する選手が多いから。

ストロングを出す為に攻撃をする(ボールを保持する)と同時に、ウィークポイントを隠す為にも攻撃する両チームだった。

逆の観点から見ると、それが出来ない(ボール保持の時間が短くなる)と弱さが浮き彫りになる。この両面を今、兼ね備えているのは間違いなくリヴァプールだろう。ボールも奪えて、ボールも保持できる。ボールを持たれても、ボールを持っても強さを発揮できる。だから強いんだよね。

ビック6のゲームはやっぱり面白かった。そして今シーズンのチェルシーの戦いぶりは非常に面白く、これからもっと良くなる事に期待が膨らむ。アヤックスとのCL戦も非常に楽しませてくれたし、どう進化し、成長するのか楽しみだ。

両チーム共に、首位を独走するリヴァプールにこれ以上勝ち点を離されず、徐々に詰めていくことを期待。そのほうがプレミア面白いからね。

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