【「らしさ」と「らしくなさ」】チャンピオンズリーグ第5節 ユベントスvsアトレティコ・マドリード レビュー

サッカー戦術分析
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ユベントスvsA・マドリードのビックマッチ。前回対戦ではユベントスが2点とリードするも、アトレティコがホームの意地を見せて同点に追いつく白熱のゲームとなった。さぁ、今節はどんなゲームに?

前回対戦

スタメン

ユーベのパスワーク

ホームのユベントスがボールを握ってゲームを支配していく。前半の途中にはユベントスのボール試合率が70%を越える値も記録する時間帯もあり、ボールを握ってゲームを運んだ。

サッリ監督らしいテンポいいショートパスが繋がるシーンも多く見られた。パススピードも早く、その中でもタッチ数少なくハイペースでボールを動かしてアトレティコを翻弄していった。前半の目まぐるしく繋がるショートパスは見ものだ。

縦パスが入ると一気に攻撃が加速し、縦の推進力を持つ。縦パスでアトレティコの選手を集めて、ワンタッチフリックで3人目を前向きにして、アトレティコのコンパクトな守備を打開していくシーンも。縦パス→フリックは意識された攻撃のパターンだった。

パスの供給源

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縦パスの供給源はピャニッチとボヌッチだった。この2人から速くて正確なパスが打ち込まれる。レシーバーはトップのディバラだった。ディバラは最近の調子の良さを示すように、時間とスペースがない中でもボールを失う事なく縦パスを受けていた。間違いなくこの試合の攻撃の起点となっていた。

前線に止まる事なく、相手の嫌なエリアや味方の助けになるエリアで顔を出しボールを引き出す。またアトレティコがブロックを敷いてきた時には、密集で受けるレシーバーの役割だけでなく、攻撃のスイッチもバンバン入れていき強固なブロックを破壊していった。

アシストからフィニッシュまでミスなくこなす、絶好調だったあの時のディバラが少しづつ戻ってきたかもしれない。

SHは中に。前線は流動的に。

ユベントスの基本配置は4-1-3-2の様な中盤はダイヤモンドの配置だった。ボールを保持するとその配置は変化する。

SBが高い位置に上がり、SHのマティイディとベンタンクールは内側に入ってプレーしていた。ピャニッチと並んだり、一つ前のハーフスペースで仕事をする。

トップ下のラムジー、2トップのロナウド、ディバラは流動的に前線を動いた。SBが幅を取ることもあるが、ロナウドとディバラがサイドに流れてボールを引き出すことも。

SHが中央に絞る事でアトレティコの選手を中央に釣り出して、サイドのスペースを空けさせて、ディバラ、ロナウドがボールを引き出しゴール前に攻め込むシーンも意図的に狙っていた形だろう。

アトレティコの守り

アトレティコのボール非保持の配置は4-4-2で中央を圧縮する。コンパクトにし、中央を圧縮し、時間とスペースを奪いにいく。シチュエーションに応じて前線からボールにアタックすることも。この時、ユベントスのビルドアップの起点であるアンカーのピャニッチにはビトーロが監視盤としてパスコースを切っていた。

しかし、ユベントスのもう1人のパス供給源ボヌッチがいることで、それだけではユベントスのビルドアップを防ぐことにはならなかった。そしてディバラがビルドアップを助けるためにポジションを一列下げることで、フリーでボールを引き出す。アトレティコの守備の基準(誰が誰にマークいくの?いつどこでボール奪うの?)が定まらなかった。

そうなるとDFラインを少しづつ下げて、ユベントスの攻撃を自陣で待ち構える様になる。しかし、そうなるとユベントスにとっても逆に厄介な事に。アトレティコが引いてブロックを敷くとそれは強固な壁ができる。ユベントスはゴール前までは押し込むシーンが増えるものの決定的なシュートも放てなくなる。また中央を固められて、フィニッシュワークは外へ追いやられてクロスを上げさせられて跳ね返されるシーンも前半は多かった。

輝くユーベの宝石

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硬いブロックの前に決定的な決め手を欠いていたユベントスだが、その中でもディバラはゴール前で違いを見せつけていた。パス、ドリブル、シュートでチャンスをつくる。

そして訪れた前半ロスタイム。ディバラが右サイドのゴールラインギリギリの位置からのFKを直接ゴールにねじ込む。ほとんど角度がないエリアからのスーパーFK。「ユベントスの宝石」が輝く。

ユベントスが1点リードでハーフタイムへ。

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シメオネの反撃

前半はユベントスがボールを握っていたが、内容的には五分五分だったかもしれない。アトレティコに決定的なシーンは無かったものの、シュートは積極的に打てていた。後半シメオネが積極的に動き出す。

どんどん攻撃的な選手をピッチに送り込む。
54分 → J・フェリックス
60分 → コレア
64分 → ルマル


最近定番となっている、サウールを左SB配置し、攻撃型な配置で攻撃を活性化させていく。ボール保持の時には両SBも駆け上がりリスクをかけて攻めていった。

守備も前へ前へボールにアタックしていった。

立ちはだかる2CB

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確かにアトレティコの攻勢が強まっていったが、決定的なシーンを作れない。立ちはだかったのはボヌッチ、デリフトの2CBだった。デリフトはボール奪取にボヌッチはボールの供給源としてアトレティコに立ちはだかった。

これがユベントスらしさ。堅守、負けない戦い方がユベントスらしく、一番の強みだ。前半は新たなユベントスが見え、後半は相手の勢いに耐えられるらしいユベントスが見えた。

アトレティコは後半ロスタイムに見せた、ブロックを切り裂く崩しは決めたかった。いい崩しだった。

このままユベントスが前半の1点を後半は守り切ってしっかり勝ち切った。

終わり

ユベントスも、アトレティコも、「らしさ」と「らしくない」両面が見れた前後半だった。「らしくない」とは悪い意味ではなく、「新たなチャレンジ」と言う意味。

前半はユベントスの「新たなチャレンジ」(サッリボール ハイテンポなショートパスの攻撃)が見え、アトレティコの堅守、「らしさ」が見えた。

後半はアトレティコの「新たなチェレンジ」(ボール保持を高め、攻撃的な配置をとり崩す)が見え、ユベントスは守り切って勝ちきり堅守、「らしさ」を見せた。

両チームはこの「らしくない」一面が加わったらもう一段階高みへ行くだろう。これからの進化が楽しみな両チーム。それともやはり、いつも通りのチームカラーに戻ってしまうのか。チェレンジし続けて欲しい。

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トーマスの存在感はすごかった。攻守両面でどんどん存在感が増していく。見るたびにインパクトを受ける。進化が止まらない。

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