【リヴァプールが引き出したナポリの底力】チャンピオンズリーグ第5節 リヴァプールvsナポリ レビュー

サッカー戦術分析
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ビックゲーム。リヴァプールvsナポリ。
前回対戦のナポリホームの一戦ではナポリが勝利を収めた。リヴァプールはナポリには苦手意識があるだろう。今節はホームゲームだったが、アンチェロッティに大変苦しめられた。

リヴァプールは勝ち点3が欲しいゲームだっただろうが、勝ち切れずに勝ち点1を分け合う結果に。ナポリの集中力と、組織力は本当に見事だった。

それではゲームを見ていこう。

前回対戦

スタメン

可変するナポリの配置

ナポリは前回対戦の時に上手くいった点をこの試合でもしっかり活かした可変するシステムでリヴァプールに挑んでいった。

守備は4-4-2。攻撃は3-4-3のような配置で可変する。

4-4-2ブロック

まずは守備。
ボール非保持の状況には4-4-2のブロックを形成する。

シチュエーションによっては前からプレスに行くが、基本は自陣まで下がってブロックを敷いて攻撃を待ち構える。2トップのロサーノとメルテンスは中央のスペースを切りながらボールを外に誘導する事がファーストミッションだった。2CBにはある程度の時間を与え、アンカーのファビーニョには細心の注意を払って監視。

そしてチームとしての一番の狙いは、
リヴァプールにスピードにのらせない

事だった。自陣でブロックを形成して、スペースケアを重点的に行い、リヴァプールの攻撃をスピードアップさせない事が目的だった。強力な3トップにボールが入っても後ろ向きで受けさせて前への推進力を消していく。

サイドにボールが入るとSBが対応、SHがプレスバックでボールを奪いにいく。2列目からチャンネルに走る選手にはアランとF・ルイスがしっかりついていき、それでもプレスを剥がされても最後はクリバリとマノラスがしっかりカバーに入る徹底的ぶりでリヴァプールの攻撃を停滞させにいった。

中央を固めて、外に追いやり、外への守備対応もしっかり組織化されたナポリの守備は硬かった。そして集中していた。またこの試合普段はSBで出場するロレンツェをSHで起用した狙いも十分に発揮され、彼もサイドの守備の面で大きな仕事をしていた。

3-4-3へ攻撃シフト

ボールを保持すると、これは前回対戦でも行なっていた、3-4-3の配置になりビルドアップを試みる。

最終ラインは右SBマキシモビッチが少しインサイドに入り、クリバリが左にシフトし、マノラスが真ん中の3バックになる。右サイドの幅はSHのロレンツェが、左の幅はSBのマリオ・ルイがとり、ロサーノが前線に、メルテンスとジェイリンスキーがインサイドに入り、不規則な変則で3-4-3システムチェンジを行なった。

この配置シフトの狙いは

  1. 3トップのファーストプレスを大外から剥がす
  2. 中盤3枚を横に広げ中盤のギャップを空ける
  3. SBを釣り出して裏へランニング

この3点が狙い。

前半はこの狙いが上手く機能するシーンもあり、奪ったボールをまずはCBとSBの間から、斜めの裏抜けでロサーノとメルテンスがボールを引き出して前進していった。また、アンカー脇でボールを引き出して前向きになるシーンも。しかしイージーなミスも目立ちチャンスシーンを自ら手放してしまったプレーも多く勿体無かった。

そしてこの狙い通りに先制点がナポリに生まれる。
中盤でF・ルイスが前を向くとリヴァプールの裏へパス。そこへオフサイドギリギリで走り込んだメルテンスが抜け出し、GKアリソンとの1対1を冷静に逆サイドに突き刺して先制点を奪った。

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停滞するリヴァプールの攻撃

先制点を奪われたリヴァプール。ボールを握ってゲームを進めていたのはリヴァプールだったが、ナポリの4-4-2ブロックの前に攻めあぐねる時間が続いた。ナポリは4-4-2で3ラインを圧縮してボールを外に追いやる。リヴァプールの配給役であるファビーニョのパスコースを消す狙いもあった。ファビーニョは前半早々に負傷してワイナルドゥムが交代で入ってもその狙いは変わらなかった。

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リヴァープルも中央がダメならばと、外からビルドアップを試みる。ナポリを自陣に押し込むことは難しいミッションではなかった。しかし、そこからもう一つの試練が。ゴール前に4-4-2ブロックによりスペースがない状態。スペースを消されたリヴァプールの攻撃は停滞していった。またボールを動かすテンポも上がらずに、ナポリに対応される。ボールは動くも、ナポリの選手は動かずにスペースが空かない。

ファンダイクのフィードと魔術師

ボール支配率は高いが、中々攻め手を見つけられない。ボールを持たされている状態に。そんな中ファンダイクの大きなフィードで少しづつリヴァプールの攻撃が活性化する。

2CBにはボールを持つ時間が与えられる。試合後のスタッツでも一番パスをしたのはファンダイクとロブレンだった。後方でボールを回させるナポリの狙いがハマった事でもある。

ファンダイクがサイドに、裏に高精度のフィードを前線に送り込む。大きなフィードがある事で、ナポリのスライドが間に合わずにスペースが空いたり、時間がある状態でボールを受けられる。また前向きで走った状態でボールを受けるのでスピードアップする。

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それでもナポリの組織化された集中したDFは簡単には崩せない。そこで違いを出したのは魔術師フィルミーノだ。ワンタッチで味方にスペースを与えたり、相手の逆をとるヒールパスなどで決定機を演出していった。

集中力は途絶えない

試合経過とともにナポリの運動量が落ちていく。それにより、カウンターをする事も中々できず、リヴァプールの猛攻を耐え凌ぐしか出来なくなっていく。

リヴァプールも選手交代で同点、追加点を狙っていく。チェンバレンを投入して、マネを左に、フィルミーノとサラーの2トップで中盤の選手を一枚減らして畳み掛ける。しかしリヴァプールは崩しきることは出来なかった。しかし困った時のセットプレーで、65分CKからロブレンがヘッドで同点ゴールに追いつく。

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待望の同点ゴールを奪い、ホームアンフィールドの力を背に勢いを増すも、最後までリヴァプールらしいスピード感あふれる攻撃は見れなかった。

ナポリは疲れを隠せない状態だっが、最後まで集中してリードは渡さなかった。立ちはだかるマノラスとクリバリ。その2CBの後ろには若き守護神メレトが立ちはだかった。中盤のアランのボール奪取も光った。

ゲームは1-1で終わり勝ち点1を分け合った。

終わり

このカードはいつも通りハイレベルな試合だった。

ナポリはこんな戦い方が出来るのになぜリーグ戦で勝てないのか不思議でしょうがない。相当集中して自分のミッションを全うしていた。それを引き出した要因の一つとして相手がリヴァプールだったかもしれない。相手がリヴァプールでしかもアンフィールドということがナポリの選手のモチベーショをあげて力を引き出したのかもしれない。

熱いナポリファン

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リヴァプールはナポリに苦手意識はあるかもしれない。この試合で出た、ゴール前のスペースを消された時に攻撃が停滞するのは課題かもしれない。普段見せる大きなサイドチェンジで相手を動かすシーンも少なく、テンポが上がらなかった。

それよりもファビーニョの負傷具合が気になる。今のリヴァプールにとって彼の存在感は大きい。チームに与える影響は少なくない。

このグループの決勝トーナメント進出チームは最終節に持ち込まれた。リヴァプールはアウェーでザルツブルク。これまた難しいシチェーションだ。ヨーロッパ王者は敗退の危機もありながら最終節を迎える。真価を問われる一戦になるかもしれない。

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