【フィジカル兵器がシーズンダブルに貢献】プレミアリーグ第19節 ウルブスvsマンチェスターシティ レビュー

サッカー戦術分析
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アダマ・トラオレ…なんて質の持ち主…
フィジカル兵器だったな…

スタメン!

前半

ウルブスの攻撃の狙いは、シティのハイラインの裏のスペースを目掛けてロングフィードを送り込む事。そしてもう一つは右サイドに目一杯の幅をとるトラオレにボールを渡して、彼のフィジカル兵器を活かした縦突破からチャンスを創り出す事だった。前半キックオフからウルブスの狙い通りの攻撃がシティに襲いかかった。

ウルブスの配置は3-4-3。シティは2トップで前からプレスに行くので、ウルブスの3バックの誰かはフリーになり、後方の3CBから前線へロングフィードが送り込まれていった。前向きで3CBが前を向くと、一気に前線の選手たちがまずは迷わず裏のスペースへ走る。

前半11分 この狙いが功を奏する。ウルブスが後方からロングフィードを送り込む。この時、FWヒメネスが落ちる事で、CBフェルナンジーニョが彼のマークに付いていく。これに合わせてシティの最終ラインは押し上げることができずに、ラインがわずかにガタガタになってしまう。僅かだがウォーカーが最終ラインに残ってしまい、ウルブスの2列目からランニングしてきたジョタが抜け出す。オフサイドもとれずに、マークもつけずに、一本のパスで最終ラインを簡単に突破されてしまう。この飛び出しに対してGKエデルソンがペナから出てきて、ボールにアタックしたが無情にもファールになってしまい、エデルソンにはレッドカードが出された。

残り80分を10人で戦うことになってしまったシティ。この退場により、ウルブスが試合を優位に進めるかと思いきや、戸惑ってしまったのはウルブスの方だった。アグエロに変えてGKブラボを投入して、すぐさま手をうつペップ・グアルディオラ。退場へのシティの迅速の対応は本当に見事だったし、ピッチでプレーする選手たちの状況判断も素晴らしかった。

10人になってから

シティは10人になって、スターリングを1トップに。ベルナルドを左SHにしてデ・ブライネを一列下げて、4-4-1のシステムになった。ボール非保持ではいつも見せる前線からのハイプレスは行わずに、自陣まで下がって守備ブロックをつくり、ウルブスの攻撃を待ち構えた。

ボールを保持すると、右サイドからの攻撃は完全に捨てるような配置になった。ベルナルドはインサイドに入り、左SBメンディは高い位置をとる。逆サイドのマフレイズはいつものようにサイド一杯に幅を取らずに、スターリングと並ぶように内側に絞って2トップの様な配置となった。右SBウォーカーも高い位置をとる訳ではなく、守備に重きを置いた位置どりを。いつもの様にインサイドとワイドにバランスよく選手を配置するのではなく、左サイドに人をかけていった。退場者を出したアドバンテージは、右サイドからの攻撃を捨てる事で、左サイドに人をかけるプランにする事で攻撃面を補ったペップ。これが見事にハマって先制点を奪ったシティ。

前半20分 右SHのマフレイズが左サイドまでボールに関わりにいき、セカンドボールを受けると、左のペナ角付近からドリブルを開始すると、ペナルティエリア内で倒されPKを獲得。これをスターリングが沈め、先制に成功したシティ。1人少なくなって、やりにくくなったのはウルブスの方だった。

1人退場したシティに対して、攻守両面で変更が見られなかったウルブス。そのことがシティに先制点を渡してしまったし、ウルブスらしい縦への推進力を持った攻撃も影を潜めていった。シティのPK獲得のシーンも、ウルブスのボール非保持の対応は5-4-1でブロックをつくって攻撃を待ち構えていた。これにより、シティは後方でボールを動かす時間が与えられ、ビルドアップを進められた。そしてそのまま、人の厚みを掛けながらゴールに迫ることで、セカンドボールを回収してマフレイズのドリブル突破のシーンまで持ち込めた。

そして、退場者が出る前までは見せていたウルブス狙いである裏への速い攻撃も出なくなっていった。

それはシティが前からプレスに来ずに、ブロックを敷いた事で裏へのスペースが消されてしまったからだ。ボールを握る時間は増えていったウルブスだが、ウルブスの良さはそれよりも、ボールを持たれて、前線にスペースがある事で発揮される為に、シティが引いた事でその速い攻撃力は低下していった。

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改善するウルブス

退場者が出てからの対応はペップが上手だったが、ウルブスも少しづつ、数的優位を活かす戦い方をしていった。守備では前線からボールを奪いに行く様になった。ブロックを敷く前に、ボールを奪われたらすぐにトランジションプレスをかける様になる。これにより、シティも中々マイボールの時間を作れずに、ウルブスの攻撃する時間が増えていった。ボール保持の時では右サイドに変化が。ウルブスは右サイド一杯に幅をとるトラオレめがけてボールを送り込む事は明確だったので、シティも左SHのベルナルドが下がってほぼマンマーク状態でトラオレをマーク。これにより、トラオレがボールを持つシーンは減っていく。ベルナルドの対応は見事だった。しかし、ベルナルドがサイドのトラオレの位置まで下がってマークに付けば、インサイドのポジションは空くのだが、ウルブスはそこをうまく使えなかった。右WBドハーティもサイドに張ることが多く、トラオレとポジションがサイドで被ってしまい、配置で優位を作れなかった。

しかし、前半40分ごろから、トラオレがより自由度を持って動き出す様に。

一列下がって内側でボールを受ける様になったり、ハーフスペースでボールを受けてドリブルをしたりと、トラオレがインサイドに入る様になり、配置のバランスがうまくとれ、シティにとってはマークを捕まえづらい状況になっていった。ウルブスに段々とゴールの匂いがして来たところで前半終了。1人少ない、シティが1点リードでハーフタイムへ。

後半

シティは動く。ハーフタイムにマフレイズに変えてCBエリック・ガルシアを投入し、後ろの枚数を一枚増やして5-3-1の様な形に変更した。ウルブスの前半の戦いぶりから、サイド攻撃が多かったのを踏まえたのか、最終ラインに一枚増やすことで、守備を重視した配置を採用して来た。1人少なくなったからといってもシティならボールを握ってくるかと思いきや、より守備に重きを置いた配置に変更して来た。攻撃時は両SBが高い位置に上がり、後方にはしっかり3CBが残る形となった。それでも、わずかなチャンス、少ない人数でも見事な攻撃を見せるのがシティだ。

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後半開始早々にシティが追加点を奪う。
後半4分にシティのカウンター。ロドリからデ・ブライネに斜めのパスが入ると、デ・ブライネがワンタッチで最終ラインの裏をとったスターリングへフリックスルーパスが入ると、GKと1vs1の状況を作り出し、スターリングがループシュートを落ち着いて流し込み、追加点を奪ったシティ。数的不利の劣勢の状況でも少ないチャンスを確実に沈めるシティの流石の強さを見せつけた。

ウルブスの猛攻

それでも、ウルブスは前半の終盤見せ始めた前線からのプレスからシティに圧力を掛け続けた。そしてシティのビルドアップをシティ陣内でボールを奪いショートカウンターを発動する。後半9分、トラオレがハーフスペースでボールを受けると前を向いて思い切りよく右足を振り抜く。強烈なシュートがゴールに突き刺さり1点を返す!ここからウルブスの猛攻が始まる。

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1点が入ったことで、シティはより後ろに重心がいってしまい、ウルブスの猛攻になんとか耐えるだけしか出来なくなっていった。シティは後半から5バックになったことで、ウルブスの大外の選手にはプレスがいく様な配置にはなったが、特に右サイドのトラオレのところでは質で上回れてしまい、彼からの突破から再三チャンスを作られてしまった。シティの選手たちにも、疲労感が表情から見て分かるくらいまで溜まっていき、プレスの対応が遅れてしまい、ファールも増えていき、そのセットプレーからもウルブスにチャンスを与える状況になっていった。

後半35分、1点リードを保って、ウルブスの猛攻に耐え忍んでいたが、ウルブスのクロスのこぼれ球の処理をSBメンディが誤ってしまう。自陣ペナ内でボールをキープするメンディだが、外にクリアするのか、少し迷う対応をしているとトラオレが猛然とプレスに襲いかかり、ボールを奪いクロスを上げると、最後はヒメネスが押し込み同点弾を奪う。勿体無いプレーだったメンディ。残り10分これでホームウルブスのボルテージはさらに上がり、選手たちを勇気づけ、後押ししていく。

そして88分、シティの選手たちの足が完全に止まってしまう。疲労もあるだろうが、守備の対応が軽くなってしまい、右サイドから中盤にボールが打ち込まれ、ワンツーで侵入され、ドハーティが左足を振り抜き逆転に成功したウルブス。

シティもスターリングのFKからクロスバーを当てるシーンもあったが、これで試合終了。ホームウルブスが見事な猛攻で逆転勝利を収めた。

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終わり

ウルブスはシティ相手に今シーズンプレミアリーグでは2戦2勝。シーズンダブルを達成した。前半早々にGKエデルソンの退場から、1人少ない状態で80分を戦い抜かなくてはいけない苦しい状況に。それでも先制点を奪い、後半早々には追加点を奪ったまでは強さを見せたシティだったが、らしさという面では、ボールを保持することは諦めていた試合だった。当然数的不利の状態で、それは難しい状態ではあるだろうが、後半からはDFの選手を一枚増やして5バックにするなど、より守備的な布陣で挑み、勝ちに徹する戦いを見せたのかもしれないが、それがこの試合では逆効果になってしまったのかもしれない。より重心を後ろに下げることで、ウルブスの猛攻を受ける時間が増えていき、最後は疲労も加わり耐え切れずに逆転を許してしまった。

ウルブスの攻撃の中心にはフィジカル兵器トラオレがいたことは間違いない。分かりやすい彼のストロング。強くて速い彼の質で何度も右サイドを突破し、チャンスを作り出し、1G1Aの大活躍。シティ戦ではトラオレは活躍している印象で相性がいいのかもしれない。

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さぁ、シティはどうする?どうなる?怪我人が多いとはいえ、前節のレスター戦ではらしさ全開の戦いぶりを見せていたけれども、今節はウルブスに力負けした。シティの強さを今シーズンは中々安定的に発揮することが出来ていない。こういう時はチームの哲学やスタイルに立ち返ることが必要なのかもしれない。ペップシティには確かな立ち返る場所はあるのか?それともまだ確立できていないのか?考えるべきポイントなのかもしれない。悪いニュースが多いかもしれないが、得点数を見てみればプレミアナンバーワンの結果を出している。これ以上に攻撃力を上げて得点数を重ねるのか、失点を減らす為に守備に重点を置くの考えるタイミングなのかもしれない。それに、冬の移籍の動向で、今シティがチームとして何に重きを置いているのかも見れるだろう。補強はしないのかもしれないが、そこらへんも気にして追っていこう。

始まった、プレミアで一番厳しい冬のシーズンへ。超がつく、どのリーグよりもハードな試合日程をシティはどう切り抜けるのか?ボロボロになってしまうのか?それとももう一つ強さを手に入れることができるのか?非常に楽しみだ。

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